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体験談

あなたが毎日会っている人に一目惚れしました

2017/08/10

四つ葉のクローバー

ある特定の異性を強く慕い、切ないほどに好きになってしまうことを「恋に落ちる」と言うのでしょうが、確かに恋とは落ちる」と言う表現が合っていると実感した出来事でした。

それは三人の男友達とある学校の学園祭に行った時のことです。決してナンパが目的で行ったわけではなかったのですが、友達の一人(A君)はある女性(B子)に声をかけ、二人で笑いながら何かの話を始めたのでした。そのB子の近くには友達らしい二人の女性がいましたが、やがて彼女たちも笑みを浮かべながらその話を聞いていました。

私もよく聞いてみると、A君の話とは彼がいつも使うナンパ用の話でした。

君が毎日会っている女性に一目惚れしたのでその娘を探している」で始まり、「え、どこで会っている人?」と聞き返されると「君の家でさ」と答え、「君が毎朝鏡で会っている人さ」とキザな落ちで笑わせるいつもの手口?でした。

その落ちで笑いを取り何となく打ち解けた雰囲気になったところで「皆で一緒に回ろう…」と誘うのでした。結果的に彼のナンパは成功し、皆で学園祭を楽しむことになりましたが、A君はB子に本当に一目惚れしたことは見え見えであり、B子もまんざらでもなさそうでした。

そんな空気を読んだ結果、その二人を開放し、残りの数人で飲みに行くことにしました。B子の友だち二人は共に明るい性格で、飲み会も盛り上がっていたのですが、その時急にA君と話していた時のB子の笑顔が頭に浮かびだし、今頃どこで何を?と気になり始めたのです。

そうなると飲んでいるビールも味気なくなり、皆との話も上の空になってしまったのでした。

A君とは仲の良い友達なので、その一目惚れの相手とは上手くいってほしいと頭では願うのですが、心ではその反対のことを考えてしまうのでした。何故気になるのだろう?まだちゃんと話をしたこともないのに何故?そんな思いと共にその夜は帰宅し眠れない夜を過ごしました。

翌日A君と会い、B子にはあまり気に入られなかったようなので、電話番号だけ聞いて別れたとの話に心の中では「よし!」と叫んでいました。A君から電話番号を聞き出し「A君のどこが気に入らないのかを聞きたい」との口実でその夜に二人で会うことにしました。

A君には悪いけど…いや、まだ付き合い始めてないのだから…などと考えながらB子を待ち、そして再会して暫く経って「ところでどうしてA君とは?」と心にもない質問をしました。

するとB子の答えは「あなたが毎日鏡で会っている人に一目惚れしたみたいだから」と言いながらうつむいたのでした…そしてその瞬間私は完全に恋に落ちてしまいました。遠い昔の話になってしまいましたが、今でも鏡で自分の顔を見るとその時の恋心を思い出してしまいます。

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