別れ際に真実を告げられた恋愛の話
2017/10/25
明確な時期という記憶は曖昧になるほど年齢を重ねているんですが、話そうとしている恋愛自体は鮮烈であったこともあってよく覚えていますので、個人的に特に覚えているシーンなどを振り返りながらこれまで誰にも言っていない恋愛について話していこうと思います。
大学生の頃なんですが、ちょうどその時は自分が失恋直後で傷ついた心を癒やしたいと思っている気持ちが強く、友人もそこを察してくれて合コンなど、異性との出会いの場を設けてくれていました。私も早く失恋から立ち直ろうと新たな恋を探していたんですが、ある合コンの場で素敵な女性に出会いました。
その女性は大学生ではなく、OLをやっているという少し年上、恐らく2つか3つ上だったと思うので20代半ばだったと思います。
長い黒髪が似合う同年代より大人に見える様な女性だったんですが、自分が失恋した直後であることを伝えると彼女は年齢が近いとは思えない様な大人な対応をとってくれたり、包容力を見せてくれて励ましてくれたり、アドバイスをくれたりとあの手この手で癒してくれました。
癒やしてもらったことや大人の女性であること、長い黒髪や外見も個人的に好みであったこともあって惹かれ、彼女も彼女で傷心の私に親身になってくれている内に情が移ったようで、付き合って欲しいと告白すると少し悩んだ様子でしたが、受け入れてくれました。
恋愛自体は凄く普通というか、変わったことがないものでした。デートをして食事をしてホテルにも行って、他の男女となんら変わらない恋愛を繰り返して半年ぐらいが過ぎたはずです。
正直言って恋愛自体は上手くいっていた自覚もありましたし、彼女からも不満を言われることもなく、常に優しい笑顔で接してくれていました。
ところが、急に彼女から別れを告げられたのです。当時の私はまったく予期していなかったタイミングでの別れの切り出しでしたし、彼女の表情も覚悟というか悲壮感のようなものもあって、たたごとではないということは伝わってきていました。
話を聞いてみると、なかなか彼女は切り出しにくいようで悩んでいたようですが、意を決した顔で私に向かって、実は結婚していて旦那がいるということを伝えてきたのです。その時の私は嘘でもなんでもなく頭が真っ白になっていて、頭がまったく回らなくなっていました。
その様子を悟ってか、大人な彼女は率先して話してくれました。
旦那は事情があって単身赴任していたものの、単身赴任から帰ってきて再び一緒に暮らすことになり、今後はいろいろと問題が生まれてしまうので関係をここまでにしたいという、話を聞くだけでは一方的ともとれるものでした。
その時の私は浮気というか不倫という関係の恋愛であったということよりも、単純に彼女に旦那がいたことに気付けなかった自分に驚いていたり、情けなく思ったりしていたと思います。
今思えば違う道もあったとは思うんですが、当時大学生で恋愛経験も薄く、混乱している私は彼女の言うがままに、別れを受け入れるしかありませんでした。
振り返ってみれば、真実を告白してきた彼女は気丈な態度をとっていた風でしたし、涙もありました。彼女の心情や現実など、様々なことも多少の恋愛経験を積み、冷静になった今では気付くことや推測できることもありますし、あの瞬間をやり直したいという気持ちも無いといっては嘘になります。
私にとっては彼女と過ごした半年間は良い思い出となっているので今後も大事にしたいですし、彼女にとっても出来ることなら良い思い出となってくれているといいなと思っています。
