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体験談

星空デートと花束の思い出

2019/09/18

女性

400キロ離れた遠距離恋愛の彼とは、彼が実家に帰省したタイミングで、共通の知人の紹介で知り合いました。不思議なことってあるもので、まだ会う前日の夜、彼は夢に現れました。

ブルーの車に乗った、普通のTシャツ姿の男性。背は中肉中背で、どこにでもいる感じなのに、何故か親近感を感じました。「結婚を前提に付き合ってください」彼はそう言うと、私の年齢と同じ数の真っ赤なバラの花束を差し出しました。

翌日、夢と全く同じブルーの車に乗った男性が目の前に現れて驚きました。流石にバラの花束は持っていませんでしたが、とても感じの良い人で、逢ってすぐから意気投合してしまいました。

その日のうちに付き合うことになりましたが、何しろ400キロ離れた遠距離恋愛、普段はメールでのやりとりや電話がメインで、1か月ぶりのデートはお互いの故郷である県の紅葉スポットへ出かけました。一緒に紅葉を見て、私が張り切って作ってきたお弁当を食べて、二人で色々話していると、あっという間に時間は過ぎました。

夕暮れになり、彼は「星を見に行かない?」と誘ってきました。一人暮らしだし、いいよ、と返事をすると、彼は慣れた山道を車で走り、静かな場所に車を止めました。

「ちょっと待っててね」そう言って、車内に私を残すと、トランクから望遠鏡やらラジオやら、ランタンやら、星を見るための道具を手早く支度していました。

「準備できたよ。どうぞ」そう言って、車から降りるようにて招きする彼は、いつ羽織ったのか、厚手の上着を着ていました。外はひんやり冷たくて、薄手のニット一枚の私は思わず身を竦めました。短時間なら大丈夫かと、寒さを我慢しようとしていたら、彼が車から毛布を出して、肩にかけてくれました。

「ありがとう」毛布を体に巻き付けて、空を見上げると、降って来そうなほど綺麗な星がたくさん瞬いていました。「よくこうやって星を見るんだけど、女の子を連れてきたのは初めてかな」彼はそう言うと、毛布を巻き付けた私の体を、後ろから上着の前を開けて、自分の体ごと包み込みました。

「こうすれば、寒くないよ。……ずっと、ずっと大切にするよ」私の髪に愛おしそうに顔を埋めて、後ろから抱きしめる腕に力がこもりました。それはとても誠実で、真実の気持ちだというのがひしひしと伝わってきました。

星を見た後、その日のうちにきちんと家まで送ってくれた彼は、翌日、律儀にも約束した10時ちょうどに、迎えに来てくれました。その日は私の27回目の誕生日でした。

今日は彼が遠方の家に帰るので、近くをドライブする約束をしていました。「おはよう」そう言って、アパートの部屋から出てくると、彼は背中に隠していた真っ赤なバラの花束を差し出しました。

「お誕生日おめでとう!」大きなバラの花束に驚いていると、彼はちょっとはにかんだような顔で、「こういうことするの、やっぱり恥ずかしいな。でもいいや、今日は大事なお願いがあるんだから」そう言うと、真面目な顔になり、「今日から、結婚を前提に付き合ってください」そう言って、真っ直ぐ私の目をみつめました。

「はい、こちらこそ。よろしくお願いします!」そう言って、ペコリと頭を下げると、何だか急に恥ずかしくなって、二人で顔を見合わせて笑いました。

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