無口なクラスメートとの恋愛話
2017/10/12
今から十数年前の高校生の頃、私に初めて彼女が出来ました。誰もその子が喋っているところを見たことが無いというくらい大人しく、また無口な女の子でした。
その子を好きになったきっかけはとくに無く、クラスで一緒になったときに一目で恋に落ちたことを覚えています。どことなくミステリアスな空気をただよわせている子だったので、クラスでも浮いていたように思います。
私自身とても奥手な性格だったため、片思いの状態が一年近く続きました。その子に近づきたいとは思っていても、なかなか話しかけることもできず、もんもんとした一年を過ごしたことを強く覚えています。話しかけるきっかけとなったのは、学年が変わり、クラス替えがあったにも関わらず同じクラスで、かつ席が隣同士になった時でした。
とても些細なきっかけでしたが、運命のようなものを感じたことを覚えています。
その時にメールアドレスを交換したわけですが、それすらも文通でやり取りし、そこに会話は一切ありませんでした。それからはしばらくメールでのやり取りが続いたわけですが、晴れてそのひと月後に私から告白し、その女の子と恋人同士の関係になることに成功しました。
本来であればその後は彼女のいる高校生として楽しい毎日を過ごすわけですが、私の場合はそうはいきませんでした。私の想像していた以上にその女の子のコミュニケーション能力が欠如していたためです。メールを通してであればやりとりすることはできました。
直接しゃべることは勿論、電話でのやり取りすら拒まれ、普通に楽しくおしゃべりがしたい私としては片思いしていた時期よりも、もんもんとした日々を過ごすようになりました。
当然恋人らしいこともできず、当時高校生だった私は「なんか違う」と思うようになっていったわけです。結果、その子とは数週間の付き合いの果てに別れることになるわけですが、別れ話をどちらから切り出したかというのはあまり記憶にありません。
双方気持ちが冷めてたのでどちらから切り出していたとしてもおかしくはなかったでしょう。
ただ忘れることができないのが、その子が私のために作ってくれたというスイートポテトの味です。今思い返せばとても高校生の恋人同士らしいことをしていたわけですが、当時はそんなこと、その価値を知るよしもありません。
今の価値観を抱いたまま、その時に戻っていればその子とはもっとうまくやれたのかな、なんてことも思ったりしますが、それは土台ムリな話というものですね。